お笑いなんかは、よく大阪と東京を比べられたりしてますが、美容室も結構比較されます。
私の感覚ですが、関西の方がどちらかと言うとすべてにおいて「貪欲」に感じるというか。
デザインも、販売力も。
関西の人の仕事は足し算が多く、関東の人はほど良く引き算もする感じ。
うーん、伝わるかな・・・。
実際のテレビ番組で、大阪のお客さん、東京のお客さんそれぞれ50人に、シャンプーの「かゆいところはないですか?」と聞いて、大阪では半分以上の27名のお客さんが「ここもう少し」と言ってリクエストしたのに対し、東京のお客さんは50人中たったの2人。
これには大阪人の、もともとのコミュニケーション能力の高さと、お金を払うなら少しでも得をしたい、儲けたいという「浪速の商人」魂が根付いているかららしい。
もともとお笑いのセンスも高く、普段のトークにもボケとツッコミがナチュラルに繰り広げられるので、「もっとこうして」とか「値段もうちょっと負けて」とか言うリクエストの返しも大阪ならではのトークスキルが生まれながらにして鍛えられてるのでしょう。
東京の人はうまく返答できないかもしれませんね。
「はい、かしこまりました」「いえ、お安くすることはできません」と、マジメに普通に答える人がほとんど。
大阪の人なら
客「てっぺんのあたり痒いわ、もうちょっと掻いてくれへん?」
店員「お客さんの頭頂部、ちっちゃいオッサンがタップダンスでも踊ってんのちゃいます?」
というような会話をすべての大阪人ができるらしいです。
※もちろん大阪の知人がそう言ってました!私が考えたんじゃない!つまらんとか言わない!
投げられたボールを、きちんと返してあげるマナーがそこにはあるんでしょう。
逆に東京は、リクエストしないのがある意味マナー。面白いですよね。
海外の人は、日本の美容室に来るとびっくりするらしいです。
マッサージもしてくれるし、ドリンクも出てくる。
海外ではほぼそんなサービスは、まあまあ高い店でも無いのだそうです。
アメイジング!
日本もサービスを減らしてプライスを極限まで下げる傾向にあるサロンも増えていますが、
せっかくの喜ばれるサービスをできれば廃止したくないですよね。
たまに過剰かな?と思うサロンもあります。
これは正解不正解なくサロンの方針なので良いと思うのですが、異常なまでにドリンクメニューを充実させたりお菓子を添えたりするサロンもあります。
一方、アンソルは緑茶と季節のハーブティー2種のみ。飴。ケチだねー・・・。
これには理由があります。
例えば要望の多いコーヒー類。
まず健康面でカフェイン、人によっては砂糖、コーヒーフレッシュなどのトランス脂肪酸を摂取してしまうという側面が一つ。
あと、コーヒーが好きな人はこだわり派で舌が肥えてらっしゃる方も多い。
雑多なサロン環境は、本格コーヒーをゆっくり味わい、くつろぐ空間には向いていない。
コーヒー・紅茶は、ゆっくりと専門店で楽しんだほうが素敵で贅沢な時間を過ごせます。
ジュースなども濃縮還元の物や、果糖ブドウ糖液糖などが配合されているので、血糖値を急激に上げてしまい糖化リスクを一気に高めてしまう。
美味しさと引き換えに健康を害してしまうものは、お出ししたくないのです。
だからこそ、他であまり口にすることのない、美容と健康に有効であるハーブティーを、季節に合わせてお出しするのです。
かなり本格的で砂糖や着色料、添加物は一切使ってない本気モードです。
アンソルに来た時ぐらいしか、ハーブティーを飲まない人も多いと思うのです。
でもそれでいいのです。
その時間を、特別と思っていただければ。
そして最近多い、タブレットによる雑誌閲覧。
髪の毛が挟まったりしないし、さっと拭いて清潔に感じますしね。
そしてたくさんの雑誌が何冊も見れる。
初期投資はかかりますが、毎回雑誌を買うよりもコストは安いと思います。
ただ、自分がお客さんで行ったと仮定しても、そんなに何冊も雑誌は見ない気がしてしまう。
放置時間もそんなに長くないしゆっくり読んでいる暇もない。
なんならたくさんの雑誌を選んでいるうちに時間が過ぎ、気が付いたらそんなに読めていないし、実際その短い間で有益な情報を得るに至らないのがほとんど。
サロン側の優しさは伝わるのですが、サービスとしてのインパクトは実はそこまで大きいものでない気もします。
むしろフリーwi-fiで自身のスマートフォンの中の、自分に合ったコンテンツをチョイスするほうが近道のような気もします。
確かに、男もキャンキャンとかViViをチラッと覗きたい気持ちがないわけではないが・・・。
スタッフさんに「キャンキャンください」というのも明らか怪しいし・・・。
しかし、雑誌はやはり季節感が表紙に出ますし、トレンドワードが見出しに多くちりばめられています。
並んでいるだけで、ちょっとワクワクするんです。
そっと手を伸ばしたくなる、そんな感覚。
これはタブレットではなかなか起きない感覚なのです。
そんな言い訳めいた理由でたくさんのドリンクメニューやタブレットマガジンを導入しないなんてケチだなーと思いますよね?
そうなんです。ケチなんです。
いや、違うぞ・・・。
要は、サロンは喫茶店ではないので、そこはやはり専門店の方がいいわけです。
美味しいラーメンで勝負したいのになぜかカレーの方が美味いと言われたくないわけです。
我々美容師が直接お客様にお届けできるサービスの質で勝負をすることの方が、私は価値があると信じたいし、
これからも美容界はそうでなくてはならない、
そう強く思うわけであります。
え、タブレットマガジンでグラビアも見れるの?
あー、どうしよっかなー。
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