美容師は「技術力」以上に「共感能力」と「当事者意識」を高めたほうが良いなと。

失敗から学ぶ美容室経営。

毎日ひっきりなしにかかってくる「気が狂いそうな」営業電話。

「オーナーはそちらにいらっしゃいますでしょうか?」

基本、スタッフには用件を聞いたうえで必要性と緊急性があればこちらからかけなおす

と伝えてもらうようにしているのですが、

だいたいオーナーに代わらないとわかった瞬間、またかけなおすとか言って切られる。

またかけるなよ。

俺は出ないんだからさ・・・。

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つまり必要性があって緊急性があるのは、そっちのほうでしょ?ってことなのです。

毎日ノルマとかあるんだろうな。

突き動かされてるのは、「本当に必要で素敵なものを顧客に届けたい」という気持ちからではなく、仕事として「とりあえず電話かけまくってアポ取らないと自分の首が締まる」という恐怖や不安から動かざるを得なくなるのでしょう。

気持ちはわかりますよ。仕事なんだろうし。

 

でも同じビジネスをしている者同士、相手の立場に立って考えることは大切な事では?

 

美容室ですよ。

お客様の施術の手を止めて、対応しなければならないのですよ。

技術者の手を止めるという行為は、お客様の大切な時間を奪っているのと一緒。

営業電話のせいで、生産性を下げられてしまうのです。

 

その電話はお客様もかけてくる電話です。

営業電話の対応中、話し中になりそのお客様もまたされるわけです。

電話しながらカットしたりシャンプーしたりできないし、してたらちょっとお客様に失礼です。(技術的にはすごいけど)

魔界のプリンス・アシュラマンなら別ですけどね!顔3つ、腕6本あるし!

「キン肉マン」より

それなのに長々とホットペッパーのヒット率あげてやるだの、保険加入しろだの、酷いときはマンションを不動産投資用に買えだの、あれやれこれやれ・・・。

 

気持ちはわかりますよ、仕事ですもんね。

でも土日なんて朝からずっと忙しいし、1秒でも早くお客様をお仕上げし、お返ししてあげたいわけです。

本当に私たちのことを思って提案しようと思うなら、相手がどういう業態で、今現在どういう状況に置かれているかを考えてみていただいた方がいいのでは。

たまに対応すると一方的にまくし立てて説明するもんだから、まー、入ってこないし。

電話のほうが低コストかもしれませんが効果が薄いっていうのは社内で共有できているのでしょうか。

でもって営業が落ち着く夕方以降とかにかかってくるわけでもない。

自分たちも出勤時間終えてお休みモードですからね。

コストをかけててでも資料を郵送したほうが、まだ目に触れるしゆっくり読めるんですけどね。

美容室にとっての営業電話はどんなに有益な情報であっても、マイナスからのスタートになるので成約までは遠い道のりかと思います。

 

現在お付き合いのある業者はほとんど飛び込み。

わざわざ足を運んで直接お店の雰囲気やスタッフの対応を見てもらった業者のみです。

かといってそんなに来られても困りますよ!

基本私は現場では一スタッフのフリをして、「オーナーは不在です」と言うと思うので。

 

基本私はどんなにお付き合いの長い業者さんでも敬語ですし、配送業者などお店に何かしら関わる全ての人にしっかり挨拶します。

それはそのほうがお店に来るときに気持ちよく来てもらえるからです。

 

逆の立場になったとき、「いつもオーナーが機嫌悪くて雑に扱われる」「横柄な態度をとられる」「スタッフ全員タメ口で話してくる」

そんな店と関わりたいなんておもいません。行くのがストレスにすらなります。

 

でもいつも感じが良ければ、なにかいい情報を優先的に教えてあげよう、とか、

今度できるだけサービスしてあげよう、と思うはずです。

ビジネスは、相手の立場に立って、何が必要で、何を感じるのかを最低限考えてなければいけないなと、営業電話から感じるのです。

 

さて、一方の美容師はどうだろうか?

はたまた美容室経営者はどうだろうか?

 

毎日一生懸命練習しているのは何の為?

リスクを負って独立したのは何の為?

もちろん仕事を通じて幸せになることが目的ではあると思のだが、以前こんな話を聞いたことがあります。

「商売繁盛のカギは、不安や恐怖を与えること」

不安をあおることでお金をいただく・・・。

ある意味、生命保険やがん保険なんかはそうなのかもしれません。

しかし、CMでは涙を誘うような構成だったり、有名人を起用したり、どちらかといえばイメージは決して悪くない。

美容全般も、見方を変えれば不安や恐怖をあおってるかもしれない。

「これ使わないと、○○になっちゃいますよ・・・。」

ってね。

見方、感じ方というのはそれだけ人の心理を左右し、良いことにも悪いことにも捉えられてしまう。

 

だから美容師は一生懸命習得した技術を使って、「どう表現するか」「どういう姿勢で臨むか」はとても重要だと思うわけです。

 

「たくさん給料欲しいからとにかくバンバン入客してブンブン回して数こなす為に習得した技術」なのか、

「たくさんのお客様を綺麗にして喜んでもらって幸せな気分になってもらう為に習得した技術」なのか。

こちら目線では特に優劣は無いのかもしれません。やることはそう違って見えない。

「これからは高齢者が多くなる。高齢者ターゲットにしてガンガン利益あげようぜ!」という経営者と、

「これからは高齢者が多くなる。高齢者たちがこれからの人生をより楽しく充実して過ごせる日々を、我々が創ろう!」という経営者。

こちら目線では特に優劣は無いのかもしれません。やることはそう違って見えない。

 

ただ、「お客様目線」「社員目線」になるとどうでしょうか?

どっちの美容師に担当して欲しいでしょうか?

どっちの経営者についていきたいでしょうか?

美容師も経営者も、これからは「ブランディング」が必須。

どんなお客さんに来て欲しいか、どんなスタッフを集めたいかと考えたとき、

やはり必要なのは技術よりも、

相手の立場で考えられる「共感能力」はとても大事なように思います。

理想は、お客様目線に立てる美容師と経営者、

サロンにおいては「当事者意識」を持てる美容師と経営者のチームなのかもしれませんね。

まあ、ムズいか・・・。

ムズイからこそ、価値があるんですけどね。

まあ、ムズいか・・・。



コメント

  1. さとーあきこ より:

    おっしゃる通り❗

    まんま‼️

    おつかれさまでございます。

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