経営、そして営業に役立つであろうマーケティング講座を生意気にもやってみる①『ベネフィット編』

失敗から学ぶ美容室経営。

美容師さんによくある悩みである「指名の伸び悩み」。

これはもちろん経営の伸び悩みもきっと同じだと思うのですが、

ある一定のところまでは「なんとなくいけてしまう」という現状があります。

 

そこに行くために必要な事はおそらく、「素直でマジメ」

これである程度のところまでは行けるはずなのですが、

ではそこからさらに伸ばしたいと思った時、素直でマジメ(SM)に何を足すと良いのだろうか?

 

素直でマジメであれば、周りに嫌な奴がいない限りは高い確率で成長します。

ここで脱落、もしくはうだつが上がらない人は、「プライドが高い俺様勘違いカッコつけ野郎」(POKKY)ぐらいです。

組織に属せず、人のせいにせず、何でも自分でやればいいと思います。

 

しかし、やはり我々はいつだって「未完成」であり「挑戦者」

Sasin TipchaiによるPixabayからの画像

ということは「学び続ける」ことが必須なわけですね。

 

つまり、素直でマジメで勉強好き(SMB)でなくてはいけないわけですね。

 

技術の練習、接客がメインの美容師さんは、

ついつい、一生懸命「技術鍛錬」に時間をかけてしまうのですが、

1日1時間、動画でも本でもいいので、

「マーケティング」を勉強したほうが良いと思います。

 

美容業界が他業種に「食いもの」にされるのは、美容業界以上に他業種がマーケティングに特化しているからにほかなりません。

昔はマーケティングに力を入れなくても、お店をオープンしたらお客さんは来てましたが、今はそうはいきません。

 

美容室が何のコンテンツも利用せずに集客することは不可能に近い。

 

 

であればとことんマーケティングを勉強しようではないか!

 

今回はそんなブログです。

 

前置きが長くなりまたが、

マーケティングを勉強するにあたて避けて通れない「ERG理論」

もうご存じですね。

 

E・・・Existence(生存)

R・・・Relatedness(他人との関係)

G・・・Groeth(成長)

 

この3つを誰しもが持っているという理論です。

生存欲求・社会的欲求・自己欲求

マズローの5段階欲求みたいな感じですね。

 

この欲求を満たさない限り商品は売れない、というわけです。

 

自分のサロンは、そして自分自身は、このどれを満たそうとしているのか。

 

つまり、「髪を切る・染める・曲げる・潤わす」という行為の先に、顧客は何を求めているのかまで想像してあげる必要があるということです。

 

顧客にとっての美容室に求める「価値」それが「ベネフィット」

 

マーケティングの名著「ドリルを売るなら、穴を売れ」にあるように、なぜドリルを買うかと言うと、ドリルが欲しくてドリルを買うわけではなく、穴をあける目的があるからドリルを買うわけです。

さて、自分自身を商品だとすると、どんなふうに宣伝しますか?

 

A「正確で素早いカットができます。お任せください」
B「再現性を重視したカットで、毎日のスタイリングが楽になり朝の貴重な時間も有効に活用できます!ぜひお任せください」
C「お客様に似合う最高のデザインでかわいい・キレイを引き出します!周りの人に差をつけて注目度アップさせちゃいましょう!お任せください!」
D「伸びた分、髪切れます。お任せ下さい」

さて、どれも商品は「カット」なわけですが、4人の担当者ABCD。

誰を指名したいでしょうか?

 

きっとどのスタイリストにも魅力はあると思うのです。

ここには料金が記載されていません。

 

正確で早いカットを求める顧客。
とにかく楽にスタイリングできるカットを求める顧客
とにかく似合うスタイルを求める顧客。
とにかく短くしてくれればいい顧客

 

それぞれがどの「欲求」を満たそうとしているのか。

 

おそらく伸びた分きってほしい人は「生存欲求」で伸びた髪を切らないとうっとうしく生活に支障をきたすからとにかく切ってほしい。

 

おそらく再現性重視は時間を大事にしたいという「自己欲求」を満たしてくれる。もちろんそれなりにきちんとしたいという社会的欲求も少しある。

 

おそらく似合わせデザイン重視は「周りから褒められたい、ダサく思われたくない」から、どちらかと言うと自分の好みよりも周囲の意見やトレンドを取り入れたい「社会的欲求」

 

つまり、カットするという行為の先にはこれだけ顧客の価値観に差が生じていて、自身がどの価値観が強い顧客を得できるかを「自己分析」する必要があるということです。

 

そして自分自身がどの顧客の価値基準だったら周りのスタイリストより抜きんでているのか。

 

全てを満たすスタイリストもいると思うのですが、どれかに特化した結果が現在の多くの業態を生んだわけです。

 

であれば、もっと徹底的に自分がどこの価値を狙っていくかを決めていった方が、「勝率は上がる」ということです。

 

私は美容師時代、(あ、今もか)学生・子供・男性のお客さんしか担当させてもらえない時がありましたが、その時はとにかく「スピード重視」と「紹介数」でアベレージを上げ、「速い、上手い」だけを売りにして低い単価を指名数の多さで補いました。

 

そのあとは指名料を上げ、価格全体を上げることで「速さ安さ重視」のお客様が少し失客しますが、ほとんどのお客様はご納得いただけたので、指名数をそこまで落とさなくとも指名売上を伸ばすことができました。

 

速さが備われば効率の良さも計算できるようになるので、そのほかの価値基準を満たす仕事を意識すればさらに周囲とは差が開いていきます。

 

そう、価値基準は少しずつ変化させたり補ったりすればいいと思うのです。

 

そうしていくうちにいろんな価値基準を満たせるスタイリストになるので、それだけ指名も増え、業界の環境の変化にも対応できるたくましいスタイリストになるわけです。

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

このへんは次回ぐらいにさらに掘り下げていきます。

 

まずはすぐできること。

 

明日からすぐに、「目の前のお客様のベネフィットに寄り添った一言を添える」だけで劇的にリピート率は上がると思います。

 

「これで朝、ちょっとだけ寝坊できるかもしれないですね!」

「ご主人、きっと似合うって言ってくれますよ!」

 

口に出さなかったとしても、『美容室に来ている目的』にしっかりと照準を合わせることを意識して仕事するだけで、

 

自分自身の話し方や所作、気づき、振る舞いは変わってくるはずです。

 

私はスタイリストがアシスタントに見せるべき仕事は「技術」ではなく「在り方」

 

そう思うのです。

 

次回②、「セグメンテーション編」に続く

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