華々しくFC1号店はオープンし、連日大盛況であった。
配りまくったチラシと訪問のおかげだ。
各店からのヘルプもあり、助かった。
しかし、いいことばかりではない。
当時の会社の営業スタイルは、
「待たせてでも予約を断るな」
であった。
実際に独立前の店長のときは、
最大で8名掛け持ったことがあった。
サロンの席が、ほぼ私の担当のお客様。
まさに修羅場。
嫌でも仕事は速くなる。
速くなければいけない。
どんなに待たせようが、
売上こそすべて。
ここでは売上こそが正解。
そんな中、ヘルプにきたスタッフの対応や技術によるクレームの電話が10日に1回は来るようになる。
その対応までしなければならない。
中には菓子折りもって自宅まで謝罪に行ったり、
服が汚されたからクリーニング代払ってくれだの、同じものを弁償してくれだの・・・。
当の本人の反省のしてなさに怒りを覚えながらも、ケツ拭いてやるのもオーナーの仕事と言い聞かせて・・・。
売上が上がるのはいいのだが、
その分、ストレスレベルも高まる。
今思えば、
若いってスゴイな。
気力と体力で毎日を乗り切っていた。
その当時、妻はこう思っていたそうだ。
「幸せそうに見えない」と。
確かにそうなのだろう。
確かに心から仕事を楽しんでいただろうか?
とはいえ、会社で誰もやっていないことを、自分は誰よりも先にやっているのだという、
ある種の優越感に後押しされていたのかもしれない。
そして必ず成功させなければいけないという責任感で、
なんとか毎日を乗り切っていたのだろう。
しかし、
なんとなく感じていた。
あまりにも、「トントン拍子」で駆け抜けすぎて、
自分が本当にやりたいことをやっているのか?
という自問自答・・・。
まあ、考えてもしょうがない。
やるだけだ。


