成績も給料もなかなか上がらない。貯金も増えない。むしろ借金のほうが多い。
当然、女性とも真剣にお付き合いできるほどの状況ではない。
ヒューマンスキルが著しく低下した状態で止まっている。
そんな跳ねない、うだつの上がらない20代前半の美容師生活に転機が訪れる。
うだつが上がらないとはいえ、私にもそれなりに指名客はいる。
むしろ、社内では多い方だった。
ただ、チームワークを乱す存在だったので・・・。給料は上がらない。
男性客から「今度彼女の髪を切ってもらえますか?」
彼女を紹介してくれるとのこと。
一人でも多く紹介してもらえるのは本当にありがたい。
しかしまあ、可愛い彼女がいてうらやましい。
当時は彼女がいない、X・BOCCHI(クリスマス一人ぼっち)
こういうのを「負け組」とされていた。
さて、勝ち組の彼女を、ありがたく担当させていただこうかな。
なんとも可愛らしい大学生で、
私「あ、今日はよろしくおね・・・、◯△▢✕◯△▢✕◯△▢✕、・・・◯△▢✕◯△▢✕◯△▢✕、・・・◯△▢✕◯△▢✕◯△▢✕ですねー。」
彼女「えーーー、◯△▢✕◯△▢✕◯△▢✕・・・!」
カクカクシカジカ・・・割愛。
なんだかんだ、また指名してくれて、
かくかくシカ・・・割愛。
いろいろありまして、
正式にお付き合いすることに。
あ、略奪したわけではないよ。
それまではなんとなくあまり責任もない感じでちゃんと付き合うとかせずにはぐらかす感じの最低かつ自由な感じでやりすごした男だったので、ちゃんと女性と付き合うということになると、これはこれで不安もあったり。
お金もないしね。
それまでは自分のためだけにお金と時間を使っていたが、そうはいかなくなった。
無駄な出費、ぐうたらな生活習慣、歪んだ道徳観・・・
少しづつだが修正していくきっかけとなった。
と同時に、なんだか指名客も増えてきた。
まさに様々な煩悩や欲求を理性が上回る事ができたのだろう。
ギャンブルもやめ、クラブにもいかなくなったが、
彼女と出会わなければ、
私は早い段階で人生の落伍者となっていたかもしれない。
一人がいいとか、面倒くさいとか、そんな意見もあるだろうが、
自分以外の人を理解するとか、自分以外の人に責任を持つとか、
ある程度自由を犠牲にして、今までの自分自身をアップグレードすることはこれからも必要なことだと思う。
そんな彼女とも紆余曲折ありながら、付き合って3年後には結婚。
現在、結婚21年目を迎えるのでした。
![]()


