30年目を迎える美容師の過去、現在、そして未来 ㉔

とある男性美容師の過去・現在・そして未来

さて、記念すべき転職後初日。

しらべてみたら蕨というのは日本一小さな市で人口密度が日本一だとか。

確かに駅へ向かう人、駅から出てくる人、多い気がした。

草加とはまた違った雰囲気。

街もそうだが・・・、人の雰囲気も違う・・。

 

初めての転職。

どんなスタッフがいるんだろう・・・。

私はどちらかといえば前の職場では浮いていたので比較的個性強めに思われていたと思うが、新たな職場は前とは違い、良い意味では「フランク」、悪い意味では「雑」な感じがした。

 

ただ単純に、

前職では制服で白シャツ黒ズボンと決められていたので、嫌でも統一感はある。

制服が嫌で嫌でたまらなかったが、こうしてみると制服の統一感はサロンの格式が上のように感じた。

 

私服は個性が雑多になるのでどうしても「わちゃわちゃ」感が出てしまう。

元気ではあるが、質はよく見えないんだな・・・。

 

離れてみて、感じたことでもある。

 

とはいえ、なんだか楽しそうでもある。

 

 

 

「よろしくお願いします」

 

先に出社していたスタッフからの視線。なんとも言えない緊張感。

 

「あ、おはようございます」

声をかけてくれたのは、私よりも一週間前に中途で入社した男性スタイリストさん。

年齢もほぼ一緒。親近感。

なんか、仲良くなれそうな気がする。

 

※そのスタイリストさんは、数年後数十店舗のサロンを展開する大社長となる人です。

 

店長は女性。気が強そうだ。

まあ、美容師の女性は、だいたいそうか・・・。

 

 

スタイリストは自分を含めて7名ぐらい。まあ、多いほうだ。

アシスタントは9名ぐらいいたかな。

 

当時はセット面10面以上のサロンが多かった。

大型サロンが主流。

 

アシスタントの男性から、サロンを案内してもらう。

案内はそこそこに、

 

「まずはこれを配りにいいってください」

B5サイズぐらいのチラシを渡される。

 

私「あ、これを。配る?」

 

男アシス「はい、お客さんいないと、仕事になんないですよね?」

 

もちろん、間違ってはいない。

 

男アシス「はい、配り終わったら戻ってきてください」

このサロン、アシスタントが

良く言えば「物怖じしない」

悪く言えば「生意気」

練習見てやるもんか、と少しだけ思った。

 

 

私の新天地最初の仕事は、「駅前でのチラシ配り」

 

チラシ配りなんて、やったことないし、

 

やりたくない。

 

店の中で仕事したい。

 

美容師9年目。

コンテスト2年連続優勝者。

これから稼ぐべくお客さんたくさん切るぞ!指名客増やすぞ!

 

からの「駅前でのチラシ配り」

 

私の初日は、初めてのチラシ配りで一日を終える・・・。

 

配ったチラシ500枚・・・。

 

本日の売上   0円

 



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