30年目を迎える美容師の過去、現在、そして未来㊹

とある男性美容師の過去・現在・そして未来

 

人は前に進み、成長すると「役割」が増える。

美容師となってたかが10年で、

結婚し彼氏から「夫」になり

ただのスタイリストから「店長」になり

そんな多忙な中、子供が生まれ「父」になり

業績が認められて形だけでも「経営者」になった。

 

 

この頃は、なにかを得ようとするなら、それなりの「犠牲」が必要、そう教えられてきた。

WLB(ワーク・ライフ・バランス)なんて言葉、なかったと思う・・・。

 

忙しいが、少しは妻と子のために時間を使いたい。

少しでも家庭にために時間を使いたい。

しかし、かけられる言葉は、

「時間よりも、たくさん金稼いでくれたほうが女は幸せよ。」

「知恵がないなら汗を出せ、それができなければ、去れ」

そうなのかな・・・。そう思うべきなのか・・・?

 

もちろん、少しは旅行に行ったり、家族とともに過ごすこともあるので休みはゼロではない。

「経営者に休みなんかない」

人生、そして経営者の先輩でもあるオーナーにそう言われると、

「・・・ですよね!」

なんて、愛想よく返すしかない。

 

人生において、「ここぞ」という瞬間は「身を粉にして働く」経験がないと、成長し人の上には立てない。

それもそうであるが、

やはり、私も人間である以上、夫である以上、父親である以上、この役割にも責任を持たなければいけないのだ。

 


仕事は好きだ。

自分でもここまでよくやったと思う。

 

もちろん、ゴールなんてないことは知っている。

私には、100店舗のオーナーになる素質はないし、そうなりたいと思ったこともないし、想像もできない。

 

自分の近くで支えてくれる、笑ってくれる人の為に、そして自分自身のために、今まで頑張ってきた。

美容師として誇れる成績と結果は、自分のような人間には充分に出せたと思う。

 

深夜まで続く会議、殺伐とした人間関係、擦り合わない価値観・・・。

この社風が、

果たして自分にあってるのだろうか・・・?

 

約10年、頑張ってきたが、

もう、そろそろではないか・・・?

 

自分が自分らしくいるための選択を、する必要がある気がしてきた。

もう言おう、

「自分は、自分が思うようなサロンにしたい」

 

と。

 

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