前回はカウンセリングの重要性について述べました。
カウンセリングの精度が高くないと、今まで培ってきた技術や知識を最大限に活かすことができなくなります。
しかしながら、
実はカウンセリングの重要性を学ぶ前に、決めなくてはいけないことがある。
それは、
自分がどのようなスタイルで高収入を得るか、です。
ざっくりとこんな感じです。
もし、Aで高収入を得たいと考えるのであれば、カウンセリングの時間は「リスク」です。
なぜなら、
1人でも多く、1時間でも多く、1日でも多く・・・。
そして、1分でも早くお客様を仕上げることが勝てる条件だからです。
そんな中、カウンセリングが長くなったり、予約のお客様が10分でも遅刻しようものなら、次のお客様の来店までに仕上げなければいけない時間が削られてしまう。
怒りの矛先がお客様へと向いた状態で施術・・・。
焦りとともに精神的にも疲弊し、パフォーマンスが下がります。
カラーの放置タイムを短くしたり、シャンプーをさっと終わらせたり。
次のお客様をまたせてるから最終的なチェックが適当になったり。
ましてや普段のお手入れや、商品のオススメなどをしている余裕もない。
つまり、
質より量で勝負する傾向になりやすい。
別に、悪いことではない。
それもまた、美容室。
自分自身をどう位置づけるかは、自分で決めればいいのだから。
私個人としては、このスタイルは全く否定しない。
ありだと思う。
が、しかし、
このスタイルは永続的なモデルなのだろうか。
なぜなら、「天井」が決まってくるからだ。
この天井をぶち破るには、アシスタントをつけて、アシスタントに分配するか、
年中無休で24時間働くか、猛烈なスピードを習得し、より多くのお客様を担当しなければいけない。
どちらにしろ、時間管理、体調管理、教育管理という負荷がのしかかる。
それでもやれるごく一部のモンスターを除いて、長続きはしない。
これをやっていた時期があるから、よく分かるのだ。
そういう意味では、
選ぶべき着地点ではないが、「通過点」ではあると思う。
実際、
速さを求められる仕事や、アシスタントを教育し掛け持って売上を上げる仕事をほんの少しだけ経験(もしくは全くせずに)して、
と決めつけて、自分に「負荷」をかけないことで「いい仕事」ができると思っている美容師も結構多い。
残念ながら、
このスタンスでは「質」は意外と上がらないことのほうが多い。
思い出してほしい。
みんな、ワインディングって、とにかく汚くても時間内に終えることを教えられませんでしたか?
時間をかけてキレイに巻くことばかりして、キレイに巻けるようになってから時間内に終わるように練習しましたか?
そもそも、どんなにきれいに巻こうとしても。時間内に終わらなければ「失格」です。
つまり、最高の仕上がりを短時間で仕上げられるようになるには、どれだけ「量」を経験しているかというのはとても重要なのです。
時間に追われることで、「早いのが当たり前」になり、接客と効率の質が上がります。
お客様は、「どれだけゆっくり時間をかけてもいいから左右対称に切ってね」なんて思ってないのです。
「自分のペースでゆっくり仕事しないと質が下がってしまう」と言ってる時点で、
プロの美容師ではない。そう思った方が良い。
丁寧にカウンセリングするからこそ、施術のスピードは速く、仕上がりの質は高く。
この3つは、常にセットです。
Aの美容師を経験し実績がつくれたら、
この3つを武器にBの美容師へと移行してく。
単価を上げて1日の客数を減らす
こうして『天井』をぶち破って、自分の価値を高めていけばいいのではないでしょうか。
