小学生の頃観た物語を、今観て思ったこと。ガンダム編③

余談&価値観&美学

第1話で書いたように、子供の頃の私はシャアを悪者だと思っていた。

第2話で書いたように、なぜかガンダムよりグフやゲルググに惹かれていた。

そして今回書きたいのは、その先の話だ。

ガンダムを見返していて気付いた。

私が変わったのは価値観ではない。

見える景色が増えたのだ。


子供の頃の私はアムロ目線だった。

主人公だからだ。アムロが正しい。

シャアは敵。だから悪。

とても分かりやすい。

でも50歳になった今は違う。

シャアにも目が行く。

ランバ・ラルにも目が行く。

マ・クベにも目が行く。

それぞれの立場で見てしまう。

そして思う。

誰も自分を悪だと思って生きていない。

みんな自分なりの正義を持っている。


美容師になってからも同じだった。

若い頃の私は、とにかく売れる美容師になりたかった。

技術を磨きたい。

売上を上げたい。

指名を増やしたい。

それだけだった。

店長の気持ちなんて分からなかった。

経営者の悩みなんて想像もしていなかった。

でも店長になると景色が変わる。

独立するともっと変わる。

スタッフを雇うとさらに変わる。

店舗を増やすとまた変わる。

そして失敗すると、もっと変わる。


昔の私は、

店舗をどんどん増やしている経営者を見ると、

「すごいな」

と思っていた。

何十人ものスタッフがいて、

次々と出店していく。

それが成功だと思っていた。

でも今は違う。

もちろん今でも凄いと思う。

ただ、それだけが正解ではないと思うようになった。


一店舗を何十年も守り続ける経営者もいる。

スタッフ数は少なくても、

地域のお客様から愛され続けている。

それも凄い。


安く多くのお客様に喜んでもらう経営者もいる。

高単価で価値を提供する経営者もいる。

教育に力を入れる経営者もいる。

自由を重視する経営者もいる。

どれが正しいのだろう。

正直、分からない。


若い頃の私は正解を探していた。

成功している人を見て、

「これが答えだ」

と思っていた。

でも50歳になった今は違う。

答えが一つではないことを知った。


ガンダムも同じだ。

アムロにはアムロの正義がある。

シャアにはシャアの正義がある。

ランバ・ラルにはランバ・ラルの正義がある。

マ・クベにはマ・クベの正義がある。

だから面白い。

もし全員が同じ考えなら物語は成立しない。


美容業界も同じだ。

売上を追いかける美容師がいる。

技術を追求する美容師がいる。

独立を目指す美容師がいる。

生涯現役を目指す美容師がいる。

店舗展開を目指す経営者がいる。

一店舗を守り続ける経営者がいる。

どちらも間違いではない。

それぞれに覚悟がある。

それぞれに見ている景色がある。


だから最近は、人を見る目も少し変わった。

昔は、

「なぜそんな選択をするんだろう」

と思うことも多かった。

でも今は、

「その人にはその人の理由があるんだろうな」

と思うことが増えた。

理解できるとは限らない。

賛成できるとも限らない。

それでも、その人の立場から見える景色を想像するようになった。


そして、それこそが美容師という仕事の面白さなのかもしれない。

美容師は髪を切る仕事だ。

でもそれだけじゃない。

人を見る仕事でもある。

お客様を見る。

スタッフを見る。

経営者を見る。

そして自分自身を見る。


立場が変わるたびに見える景色が変わる。

そのたびに考え方も変わる。

だから飽きない。

だから面白い。


小学生の頃の私は、ガンダムを見ていた。

50歳になった私は、人を見ている。

そして不思議なことに、

歳を取るほど答えが増えるのではなく、

問いが増えていく。

これが正解なのか。

あの選択で良かったのか。

もっと違うやり方があったのではないか。

今でも迷う。

今でも考える。


でも、それでいいのだと思う。

アムロにも答えはなかった。

シャアにも答えはなかった。

だからあの物語は今でも語り継がれている。

経営も同じなのかもしれない。

美容師人生も同じなのかもしれない。

まだ迷っている。

まだ探している。

でも、だから面白い。

ガンダムを見返しながら、そんなことを考えていた。

きりがないので、

ガンダムの話、終わり。

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