小学生の頃観た物語を、今観て思ったこと。ガンダム編②

余談&価値観&美学

前回の記事で書いた通り、私は子供の頃、シャアを悪者だと思っていた。

そしてもう一つ。

私は昔からガンダムより好きなモビルスーツがいた。

 

グフだ。

そしてゲルググだ。

 

当時は理由なんて考えていなかった。

ただ純粋にかっこよかった。

友達はみんなガンダムが好きだった気がする。

 

 

主人公機だし、強いし、正義の味方だ。

それは分かる。

でも私はなぜかグフに惹かれた。

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あの青い機体。

ザクとは違う独特の存在感。

指先から伸びるヒートロッド。

そしてヒートサーベル。

ガンダムのビームサーベルとは違う。

 

 

どこか荒々しく、野性的で、職人の道具のような無骨さがあった。

子供だった私は、そのかっこよさに夢中だった。

 

 

そしてゲルググ。

今見ても本当にかっこいい。

特にシャア専用ゲルググ。

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ガンダムのようなヒーロー感はない。

どちらかと言えば武士だ。

派手ではない。

でも品がある。

凛としている。

 

 

子供の頃は言葉にできなかったが、そんな魅力を感じていた。

しかし50歳になった今、改めて考える。

なぜ私はガンダムではなく、グフやゲルググだったのだろう。

そして気付いた。

 

私が好きだったのは、モビルスーツだけではなかったのかもしれない。

その機体に乗る人間たちだった。

 

 

グフと言えばランバ・ラルだ。

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子供の頃は、

「強いおじさん」

くらいの認識だった。

しかし今見ると全然違う。

めちゃくちゃかっこいい。

ランバ・ラルは主人公ではない。

勝者でもない。

物語の中心でもない。

それでも強烈な存在感がある。

なぜなのだろう。

 

 

それは責任を背負っているからだと思う。

彼は現実を知っている。

戦争の厳しさも知っている。

勝てないかもしれないことも分かっている。

それでも前に出る。

 

逃げない。

部下を守る。

仲間を守る。

そして最後まで責任を果たそうとする。

 

だから部下たちは彼についていく。

ハモンも命を懸ける。

恐怖で従わせているのではない。

信頼されているのだ。

 

美容室経営をしていると、この凄さがよく分かる。

人は肩書きについてくるわけじゃない。

店長だから。

社長だから。

そんな理由では人は動かない。

この人についていきたい。

そう思われる人間かどうかだ。

 

 

ランバ・ラルは、そんな人間だった。

そしてもう一人。

子供の頃はよく分からなかった人物がいる。

 

マ・クベだ。

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正直に言えば、

「壺が好きな変なおじさん」

くらいに思っていた。

しかし今見ると面白い。

ランバ・ラルが現場の人間なら、マ・クベは組織を動かす人間だ。

前線で戦うのではない。

 

政治をする。

交渉をする。

駆け引きをする。

 

理想だけでは動かない。

現実も見ている。

美容室で言えば、トップスタイリストというより経営者に近い。

そして有名なあのセリフ。

 

「あれはいいものだ」

 

子供の頃は意味が分からなかった。

 

 

でも今なら少し分かる。

人は合理性だけでは生きていない。

好きなものがある。

譲れない価値観がある。

美学がある。

 

 

美容師も同じだ。

利益だけを考えるなら、もっと効率の良い仕事もあるだろう。

それでも薬剤にこだわる。

技術にこだわる。

接客にこだわる。

空間にこだわる。

 

そこには数字だけでは説明できない美学がある。

マ・クベの壺も、そういうものだったのかもしれない。

ギャンもかっこよかった。

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そしてゲルググだ。

実はゲルググというモビルスーツにも、どこか哀愁がある。

性能は高い。

 

むしろガンダムに匹敵すると言われるほどだ。

それなのに登場した時には戦局が決まりかけていた。

 

遅すぎたのだ。

強い。

優秀だ。

でも報われない。

今振り返ると、美容業界でもそんな人をたくさん見てきた。

 

 

技術がある。

真面目だ。

努力もしている。

人柄もいい。

それでも売れない。

評価されない。

時代に乗れない。

 

 

逆に、特別な技術がなくても時代の波に乗って成功する人もいる。

 

人生は能力だけで決まるほど単純ではない。

だから私は、無意識にゲルググに惹かれていたのかもしれない。

子供の頃の私は、単純にかっこいいからグフやゲルググが好きだったと思っていた。

 

でも今なら少し分かる。

私は昔から主役に憧れていたのではない。

 

主役を支える側。

スポットライトの当たらない側。

 

それでも自分の役割を全うしようとする人たちに惹かれていたのだと思う。

 

ランバ・ラルもそう。

マ・クベもそう。

 

そしてシャアもそうだ。

 

美容室も同じだと思う。

スポットライトを浴びるのは売れっ子美容師かもしれない。

SNSで有名な美容師かもしれない。

 

でも店を支えているのは、そういう人だけではない。

アシスタントがいる。

店長がいる。

ベテランスタッフがいる。

 

目立たなくても、誰かを支えている人たちがいる。

私は50歳になった今、そんな人たちに魅力を感じる。

もしかすると美容師という仕事の面白さも、そこにあるのかもしれない。

 

ただ、まだ一つ腑に落ちないことがある。

子供の頃の私は、

ガンダムを正義だと思っていた。

シャアを悪だと思っていた。

でも今はそう思わない。

なぜだろう。

もしかすると、

正義の反対は悪ではないのかもしれない。

その話を次回書いてみたい。

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