腕時計大好きな私が勝手に感じる「美容師という仕事」

余談&価値観&美学

若い頃の私は、腕時計が好きだった。

いや、好きというより憧れていた。

ロレックスのエクスプローラー

ブライトリングのクロノマット。

カルティエのパシャ・・・

 

当時の私にとって、それらは単なる時計ではなかった。

成功の証。

大人の証。

 

美容師として頑張った先にある勲章のようなものだった。

そしてなによりも、自分を大きく見せることができる。

見栄っ張りの、器の小さい男が考えることだ・・・。


 

もちろん安くはない。

若い美容師にとっては高額商品だ。

それでも私は、無謀にもローンを組んで買った。

 

バカである。

実績、収入、全く伴っていない。身の丈に全く合っていない。

 

でも当時は本気で欲しかった。

手首に巻いているだけで少し自信が持てた。


 

振り返れば、その頃の私は時計だけではなく、色々なものに憧れていた。

高級車。

ブランド。

売上。


 

わかりやすい成功。

誰が見ても凄いと思われるもの。

そんなものを追いかけていた気がする。


 

もちろん、それが悪いとは思わない。

若い頃には若い頃のエネルギーがある。

野心も必要だ。

実際、そのエネルギーがあったから出店もできたし、ここまでやってこれた。


 

しかし、経験と年齢を重ねていく中で、少しづつ価値観は変化したかもしれない。

不思議なもので、今はブライトリングもカルティエもあまり欲しいと思わない。

むしろ、

セイコー。

シチズン。

カシオ。

そんな国産メーカーに魅力を感じる。


 

HUBLOT、Patek Philippe、AUDEMARS PIGUET・・・

もちろんブランドとしての価値は違う。

歴史も違う。

立ち位置も違う。

それぞれのブランドにはこだわりや物語がある。

でも私は思う。

 

純粋に時計として考えた時、日本メーカーは世界最高峰ではないだろうか。

正確。

壊れにくい。

実用的。

長く使える。

そして価格も良心的。


 

若い頃の私はブランドを見ていた。

今の私は中身を見ている。

そんな気がする。


 

実はこれ、美容業界も同じではないだろうか。

 


 

若い頃は、

有名サロン。

大型店。

店舗展開。

カリスマ美容師。

そんなものに目がいく。

私自身もそうだった。


 

しかし30年近くこの業界にいて思う。

本当に凄い美容師とは、美容室経営者とは何だろう。

 

店舗数が多い人だろうか。

SNSのフォロワーが多い人だろうか。

売上が高い人だろうか。


 

もちろん、それも素晴らしい。

そうあるべきだと思う。

 

でも今の私は、少し違ってきたかもしれない。


 

長くお客様に支持される人。

スタッフから信頼される人。

時代が変わっても学び続ける人。

派手ではなくても必要とされ続ける人。

結果、負けずに続ける人。


 

私はそんな美容師の方が凄いと思うようになった。


 

時代の流れや変革はものすごいスピードで移り変わる。

現在、世界で最も売れている腕時計はロレックスでもセイコーでもない。

Apple Watchだ。

 

もはや時計を作り続けてきたメーカーのライバルは同じ業界ではなくなったのだ。

他業種があっという間に他の市場をかっさらって行く。

それが現代のリアルなのだ。


 

美容業界も同じだろう。

技術だけでもない。

価格だけでもない。

SNSだけでもない。


 

お客様が何に価値を感じるのか。

スタッフが何を求めているのか。

私たちは常に考え続けなければならない。


 

若い頃の私はロレックスに憧れた。

ブライトリングに憧れた。

今の私はセイコーやカシオをより好きになっている。


 

どちらが正しいという話ではない。

ただ、

自分自身が歳を重ね、

見える景色が変わったのだと思う。


 

そして少しだけ思う。

美容師も同じなのかもしれない。

見せ方やイメージばかりにとらわれず、

派手ではなくても、

目の前のお客様に全力を尽くし、

長く信頼される存在でありたいと思う。

 

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