この頃は、とにかく自己アピールは「コンテスト」が最も効果的。
夜遅くまで「ワインディング」でひたすら時間内に規定の本数のロッドをマネキンに巻き付ける。
20分60本以上をきれいに正確に。

当時は美容室のことを「パーマ屋」と呼ぶ人もいた。
店の看板に「街のパーマ屋さん ◯◯美容室」なんてのも結構あった。
それぐらいパーマを巻く技術は美容師にとっては必須のスキルであった。
朝、営業後、とにかくひたすら巻きまくる。
「汚くてもいい。最初は時間内に巻き切ることが正義。どんなにきれいでも時間内に入らなければ悪」
最初はわからなかった。
きれいに巻かなくていいから、とにかく巻き終われ。
どの先輩に聞いてもそうだった。
であれば、間違いないのであろう。
が、しかし・・・
ぶっちゃけ、面白くない!
やるよ、やるけど・・・・
面白くない!
でもカットもできないアシスタントが目立つには、これでコンテストに入賞するしかないのだ。
だからそれはそれは巻きまくるわけです。
しかし、奥が深いのである。
説明すると長くなるので割愛
つまり、
とにかく大事なのは「スピード」と「量」
きれいに巻けるようになってからスピードを上げようと思っても、あがらないのだ。
だからこそ、とにかく早く巻く。たくさん巻く。
その先に「質」が磨かれていく。
つまり、これは美容師という技術職の「基本」なのだ。
クオリティの高い技術を、決められた時間、それよりもさらに早い時間で提供する。
それこそが「質」
それこそが高い価値のサービスの提供=単価となる。
「量をこなせない奴が、質を語るな」元サッカー日本代表 本田圭佑
まさにそれなのである。
だから来る日も来る日も巻く。
でもね、
やっぱり面白くない!
はやくハサミ使いてーよ。
未熟な私、
ワインディングは入賞したことはありません。
早いけどね。


