30年目を迎える美容師 の過去、現在、そして未来 ⑨

とある男性美容師の過去・現在・そして未来

この頃は、とにかく自己アピールは「コンテスト」が最も効果的。

夜遅くまで「ワインディング」でひたすら時間内に規定の本数のロッドをマネキンに巻き付ける。

20分60本以上をきれいに正確に。

当時は美容室のことを「パーマ屋」と呼ぶ人もいた。

店の看板に「街のパーマ屋さん ◯◯美容室」なんてのも結構あった。

それぐらいパーマを巻く技術は美容師にとっては必須のスキルであった。

 

朝、営業後、とにかくひたすら巻きまくる。

 

「汚くてもいい。最初は時間内に巻き切ることが正義。どんなにきれいでも時間内に入らなければ悪」

最初はわからなかった。

きれいに巻かなくていいから、とにかく巻き終われ。

どの先輩に聞いてもそうだった。

 

であれば、間違いないのであろう。

 

が、しかし・・・

 

ぶっちゃけ、面白くない!

 

やるよ、やるけど・・・・

 

面白くない!

 

でもカットもできないアシスタントが目立つには、これでコンテストに入賞するしかないのだ。

だからそれはそれは巻きまくるわけです。

 

しかし、奥が深いのである。

説明すると長くなるので割愛

 

つまり、

とにかく大事なのは「スピード」と「量」

きれいに巻けるようになってからスピードを上げようと思っても、あがらないのだ。

 

だからこそ、とにかく早く巻く。たくさん巻く。

 

その先に「質」が磨かれていく。

 

つまり、これは美容師という技術職の「基本」なのだ。

クオリティの高い技術を、決められた時間、それよりもさらに早い時間で提供する。

それこそが「質」

それこそが高い価値のサービスの提供=単価となる。

 

「量をこなせない奴が、質を語るな」元サッカー日本代表 本田圭佑

 

まさにそれなのである。

 

だから来る日も来る日も巻く。

 

でもね、

やっぱり面白くない!

 

はやくハサミ使いてーよ。

 

未熟な私、

ワインディングは入賞したことはありません。

早いけどね。

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