商工会議所、そして本部のメインバンクなどにも融資を相談し、ついに2900万の融資を受けることができた。
どうやら本部の方でも掛け合ってくれたらしいと、あとから聞かされた。
会社としても初のFC出店ということもあリ、私にとっても会社にとっても挑戦であったことは間違いない。
経営の勉強なんて何もしてこなかったのに、
流されるように会社を設立し、
流されるように融資がおりた。
これが当たり前ではないという感覚は、どこかに感じていた。
ある程度は自分の脚でできる限りのことはしたが、
やはり「自分の力」ではないことは、明らかだった。
もちろん、相談はしたが、
自分で決めた立地、自分で決めた内装、自分で決めたサロンの規模やスタッフ数ではない。
そこはあくまでも会社の求める立地・デザイン・規模での出店となる。
FCなのだから、そういうものだ。
なんの疑問も持たず、はじめから月の目標が1000万に設定されたサロン運営をしなければならないのだ。
もはや内装費、広告費・・・、確認はしているものの、わけがわからない。
会社のブランドを借りる形で、ロイヤリティも発生するのだから、
そこに私個人のこだわりは多くは反映されない。
そういうものだし、その選択をしたのだから、
突き進むしかない。
そこに協力してくれるスタッフの期待にも応えなければならない。
朝から晩までチラシを配り、1件1件訪問し、それ以外は既存のお客様を担当し、オープンまでもちろん休みなんてなかった。
責任があるのだから当然である。
しかし、ここまで会社の息がかかってくると、
「コケたらどうしよう」なんて怖さはもうなくなっていた。
むしろ、
「まあ、なにかあっても、会社がなんとかしてくれるだろう」
という甘い考えすら生まれていた。
今思えば、
ものすごくふわふわした気持ちで、わけもわからず突っ走った独立だった。
これは本当に「独立」なのだろうか。
この調子で、私はこれから某サロンチェーンのように店舗展開していくのだろうか。
会社設立から独立までの間、
プレイヤーの頃に比べると給料は半分・・・。
ということは、
私がもっと給料を上げていくには、
店舗を増やしていく以外ない。
それしかないのだ。
それが、私も、会社も、
求めていることなのだと、言い聞かせた。