組織にはいろんなカタチがあるので正解はありません。
ゆるぎなく永続する組織構造を構築できている会社はとても素晴らしい。
うらやましい。
でもなかなかそうはいきません。
経営者の集まりや、メーカーなど勉強会でも必ず、
「右腕」「ナンバー2」
というワードが飛び出してきます。
「伸びている組織は、優秀な右腕がいる!」
「会社の業績はナンバー2で決まる!」
はあ・・・、そうなのですね。
絶対そうなのは間違いないというのも、もちろん理解はしています。
ただし、美容師として優秀で、一定数のスタッフからの支持も厚い、
所謂「売れっ子」、もしくはベテランがそのポジションに適しているかと言えば、そうとも限らない。
創業当初の私はとにかく必死で、
売上、店舗展開、組織づくりなど、会社の「外見(そとみ)」をいかに良く見せるかという、「見栄」が先行していた時期があります。
経営計画を練ることよりも、チャンスがあれば出店したい。
その為に求人をかけ人を集める。
それがあるべき姿と信じて疑わなかった。
そうなると、健全な経営体質の前に、できもしない組織図を作ってそこに人を当てはめてしまう。
「適任者」としてではなく、「そのポジションに近いであろう人」に。
そしてそれなにスタッフに差をつけて給与に手当を上乗せしてしまう。
それまで実績をダイレクトに評価されて与えられる報酬をもらっていたのだが、役職での報酬があることで実績を出さなくてもある程度はもらえてしまう。
そうすると下がった個人売上以外のどこかで実績を残さないと、本来帳尻が合わない。
だから課題を与え続けないと、言い方は悪いが、「サボる」のである。
そんなつもりはないのはわかるのだが、現状そうなってしまう。
これは本人が悪いのではなく、まさに経営者が仕組みを作ることを怠った結果である。
しかしながら、小さな美容室のサロンの現場で売上をあげなくてもスタイリスト以上に給料もらえるのは経営者以外にいるだろうか。
小さな美容室であれば経営者ですら売上を作らなければいけないのに。
となると、やはり美容師はたくさんのお客様に支持されてなんぼ、ということになる。
社員をマネジメントする基準として、その社員が何を最も重要としているのかを見極める必要がある。
このなかのどれを重要視しているか、である。
これに合わせて、課題なり役割などを決めていけばいいのですが、間違った人事を先行させてしまうと、
1,2,3の3つすべてを手に入れられると勘違いされてしまう。
1や2が満たされていればそれで満足な人を、必要以上に幹部などのポストに加えてしまうと、1と2を守りながら3をやろうとする。
そしてその先にあるのは、
過剰なまでの「高い自己評価」と、「評論家への転身」である。
「うちの会社は、私がいるから回せている」
「うちの会社は、○○だからダメだ」
そうなったとき、経営者がそこで「失格の烙印」を押し、降格させるというルールを決めておかなければいけないのである。
特別扱いしてはいけない。
経営者の方針に従えない時点で、幹部に置いたとしても結果として自身の賛同者を増やして去っていくだけになる。
だから、組織づくりを急ぐ必要はない。
しかし、将来的に必ず必要になる会社にしたい。
いまのスタッフの重要視している部分をまずは尊重し、
会社の方針にやりがいをもって取り組んでくれるスタッフが増えるまでは、
私は特別に右腕などは作らず、
適材適所であらゆる表情をもち
いろんな仕事をこなす、
アシュラマンでいようと思うのです。
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