30年目を迎える美容師の過去、現在、そして未来㊱

とある男性美容師の過去・現在・そして未来

店長は、ただ店長になるだけではなく、3年後には会社を設立し業務委託として店舗の管理をすることで本部から固定の委託料を受け取るという契約を結ばなければならなかった。

 

正直、当時はよくわからないまま店長契約金として50万を払ったが、それは店長を降格になったとしても戻ってこないらしい。

 

なんだか、理不尽な気もするが・・・。

 

実際に私より先に会社設立している店長はいたが、誰一人としてFC独立した人はいなかったし、そもそも自分がどうなっていくかもよくわかっていなかった。

 

とにかく、店長になれば大変だけど給料増える、そんなふうにしか考えてなかった。

 

社内ではおそらくオーナーの次に給料が高かったかもしれないので、比較的貯金はできた。

 

とはいっても、その通帳は会社が持っている・・・。

自由には引き出せないのだ。

 

まあ、次のキャリアに「FC独立」があるのだから、仕方ないといえば仕方がない。

 

こうして稼げるようになり、美容師としてもそれなりに認められ、本来の目的は達成できたので、

 

あとはこのまま体力の続く限り頑張り、

 

しれーーっと店長を退き、そのまま1スタッフとして働き続けたかった。

というのが本音ではあるのだが。

 

とりあえず任期の3年はしこたま稼ごうと思っていたが、さすがです。

 

会社はそうはしてくれなかった。

 

本来であればまだ先である「会社設立」の話がもう上がってきた。

 

ちょっと待て。

 

それやってしまったら、いくら売上上げても店舗の管理報酬だけになるってことか?

 

聞いた話では、今の半分の報酬・・・。

 

つまり店舗にはかなりの利益が出るよな・・・。

 

俺の報酬が高すぎるってか?

 

売上やったら喜ばれるのかと思いきや、

 

やりすぎても目をつけられるのか?

 

そんなつもりは無いのだろうが、

 

その時の自分は、そんなふうにしか思えなかった。

 

その後に待っているのは「FC独立」だからな・・・。

 

ほんとにこのままでいいのか、かなり悩んだ。

 

だって、このままだと、

 

俺、この会社のFCオーナーの第一号になるのだから・・・。

 

せめて、数人のFCオーナーが先にいれば、いろいろ話も聞けるんだが・・・。

 

嬉しいような、悲しいような・・・。

 

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