国際線の旅客機はエコノミーの席が埋まっただけでは飛べないそうですね。
飛べないわけではないが、「赤字」だそうです。
じゃあビジネスクラスとファーストクラスの席を取っ払って、もっとたくさんのエコノミー席を作って客数増やせばいいじゃん?
それでも赤字だそうです。
赤字にならない方法は、「エコノミー席の単価を上げる」ことだそうです。
そうなんです。
ファーストクラスとビジネスクラスにエコノミーの何倍ものチケット料金を払ってくれているお客様のおかげで、エコノミーの席の料金は抑えられているわけです。
乗務員「本日も○○航空をご利用いただき誠にありがとうございます。本日はファーストクラスもビジネスクラスも誰も乗っていない為エコノミーは通常よりも値上げさせていただいております。ご了承くださいませ。」
エコノミー客「は?ふざけんな!金返せ!」
とはならないでしょうけど、とにかく飛行機1機飛ばすだけでもかなりのコストがかかるわけです。
つまり、その所謂「リッチな方々」がエコノミーの料金を負担してくれているに等しい。
「リッチな方々」がいなければ、エコノミーは「割高」というわけです。
本来であれば、ビジネスクラスの席を通過する際は、「あざ―――っす!」といってお礼を言うぐらいでないといけないのだ。
しかし現状は、ファーストクラスやビジネスクラスの人に対して、そんな「ありがとう」という気持ちにはまずならない。
なんならビジネスクラスを通過の際、「チッ!」ぐらいに思っているとか思ってないとか。
新型コロナの給付や様々な補助金。これは税金から支払われます。
税収の多くは「企業」「富裕層」がものすごい額を収めている。
高額納税者が多ければ多いほど、国民に恩恵がある。
つまり、富裕層がたくさんいたほうが、豊かになるということだ。
まあ、お国のお偉い方々が「公平」な運用をしてくれてればですが・・・。
世界の成功者は、貧しい国や子供たちを支援したり寄付したりするのが、ある意味自身に与えられた義務、繁栄の感謝として還元し、その貧しい国や子供たちと接したりしている。
だから、格差はあれど、富裕層と貧困層との距離が近く、その姿を目にし「感謝」している。
子供たちはいつか自分もそのような事ができる人間になることを目指し「努力」する。
日本の成功者や有名人が寄付をしたりすると、「カッコつけてる」「売名行為」とか思われる。
憧れられるどころか、なんか「嫌われる」。
だからその格差をどこか受け入れられず、批判めいた書き込みとかをする人もいる。
たとえ寄付しても、嫌われてしまうのなら「メリット」ないから、やるだけ損。そう思ってしまう。
富裕層と貧困層の立ち位置・思考の距離はどんどん遠ざかり、お金持ちは目指すべき存在に映らない。
このいまの日本の構図は、貧しくなりつつある多くの人たちに向け、どんどんデフレを加速させ、
その向かう先には「日本国民1億総貧乏」が待っている。
みんなで貧しくなるのを望んでいるかのように。
これは我々の業界にも言えるような気がする。
それなりのサービスを限定したうえでの低価格設定はもちろん否定はしないが、「人時生産性」が低いにもかかわらず、できるだけ高いサービス、高いホスピタリティを限りなく低価格で提供しようとしてしまう。
サービスは高く、滞在時間は短く、客数は多く、そして満足度は高くて高リピート率。さらに価格は低く。
これだけできるなら、価格上げても誰も文句言いませんよ。
これ批判覚悟で言いますが、
われわれの業界、「最低価格設定」があっていいと思うのです。
「これ以上は下げちゃダメ」という価格。
だって毎年「最低賃金」だって上がってるんだもん。
新規集客労働集約型ビジネスは、デフレが進むと業界自体の質が落ち価値が下がる。
そんな気がしてならんのです。
やはりたくさんの時間とお金を投資して美容師になった、そう思うのであれば、
その投資をできるだけ多く回収できた方が良いわけで。
まだまだ美容師は「低賃金、長時間労働」のイメージを払拭できていない。
そしてそんなことわかってて、みんなこの業界に飛び込んでいる。
「そんなもんよ。美容師って」って、美容師が思ってあきらめてしまってはいないか。
技術も、給料も「こんなもんよ。美容師だし」って思ってあきらめてしまってはいないか。
そんなふうになったのは、我々美容業界がそうしてきてしまったように思う。
たくさんのオーナーさん、メーカーさん、ディーラーさん、
「美容界みんなで盛り上げていきましょーよ!」っておっしゃる方結構いらっしゃいます。
もちろん本気かと思いますし、私もそうすべきかと思う。
ただ私、「美容業界が盛り上がってる状態」ってよくわかりません。
ピンときません。
どうなっていれば盛り上がってて、いまはそもそも盛り上がってないのか・・・。
私が思う「盛り上がる」は、ただ単に多くの美容室が成長曲線を描いているということではなく、
「新たな価値創造」「新たな業界革新」ということなんじゃないのかな、と思います。
美容業界が新たな「強み」を手にする、ということなのかと。
なーーーんて言って、なーーんにも浮かばないんですけどね!
まあ、とにかく、「美容師」は「与える」側の存在、
未来の子供たちから憧れられる存在でありたいな、とは思ってますけどね。