10年も経つと、いろいろ変わりますって、まだ言うか②

失敗から学ぶ美容室経営。

はい、まだ言います。闇落ち気味で。

10年も経つと、創業期に抱いていた社員に対する想いも、いい意味でも悪い意味でも変わってきます。

創業期は理念を掲げたり、新卒中途かかわらず自社の顧客に対する考え方、職業に対する考え方などを伝え「価値観共有」することで業績レベルを上げていこうとしていました。

それには意思の疎通を円滑するという目的で「会議」「ミーティング」で目標共有したり、「社内行事」でレクリエーションしたりして、とにかく接する時間を増やしていたわけだが、

そもそも私の話を「全スタッフ中の何%が理解してくれているだろうか?」と思うと自信がない。

 

新型コロナの流行を境に、やや潮目が変わった感はあります。

絶対辞めないだろうと思っていたスタッフは辞めるし、つい昨日までそんな噂も聞いたことないのに突然「退社したい」とか・・・。

それなりの給料を稼いでいても、辞める時はあっさり辞めてしまう。

給料が不満とも思えないし、会社が嫌いとも思えないし・・・。

まあ、「人間関係」がほとんどで、それ以外の理由はそんなに多くないですが。

 

「うちは離職率が低く、スタッフも仲良いですよ!」ってのがウリの時期もあったんですけどね・・・。もはや懐かしい・・・。

 

一生懸命練習を見てくれて応援してくれた先輩がいるのに、ちょっと技術が身に付いたら「今より良い条件のサロンに転職しようかな」なんて考えてるスタッフも各社いらっしゃるのでは?

 

まあ、「美容業界なんてそんなもの」といわれてしまうと元も子もないのだが。

 

最近はコロナもあり「飲みニケーション(変な名前)」も減りました。

そもそもお酒飲めるスタッフも少ないのでジジイが陽気に喋るだけ。

Photo by Yutacar on Unsplash

そんなジジイも飲みすぎると次の日あんまり覚えてないなんてこともワッハッハーーーー!

※アルハラ、アカン!      ※アルコール・ハラスメント   

 

まあ、つまりはスタッフは社長とそんな時間なんて共有したくないんですよね。

親ほど離れた上司となにを話したらいいんだか。

 

逆に入社したばかりの二十歳そこそこの女性スタッフがお酒作ったりお酌したりめちゃくちゃ気が利きすぎてテキパキやられても、それはそれでちょっと・・・、ですけどね。

 

まあ実際ミーティングもとかも眠いし早く帰りたいのが本音。

 

そこで気が付いたのは、

スタッフのほとんどは「会社そのものに、そして他人に、ぶっちゃけ興味がない」ということ。

もちろんそうじゃない人もいますよ!

そして「自分を変えたい」「変わりたい」と思っている人は少ない。

もちろんそうじゃない人もいますよ!

 

だいたいの人は、むしろ「省エネ」で生きていきたい。それが本音。

 

だから経営サイドがやってることは、決して「価値共有」ではなく「価値観の押し付け」なのかもしれない。

そもそも、そんな簡単に人は変わらない。

約20年間生きてきた環境と経験で培われた現在の思考回路を、そう簡単には変えることはできない。

 

かといって今までのことを全てやめたほうが良いかといえばそうでもない。

 

なんだかんだ、美容業は「人」が一番大事。

 

私はそんなに熱い体育会系ではないですが、

「一人でも多く」「少しでもいいから」

理念や価値観を共有できる仲間がいてくれれば、それは幸せな事なのかもしれません。

 

なぜなら、動かない人が多ければ多いほど、

動いた人が勝てるから。

気が付かない人が多ければ多いほど、

気が付いた人が有利だから。

 

しかし、どんなに時代が変わっても、美容室は「三方良し」が原則であるこては間違いない。

 

「経営者」「スタッフ」「顧客」が全て「win-win」

これが崩れるから、「ヒト」「モノ」「カネ」のバランスが崩れる。

 

迷いながら、考えながら、変化していくしかないのですが、

 

しばらくは今まで通りに、新卒を求人し、育て、「売れっ子」として活躍してもらうことをとにかく続けていこうと思うのでした。

 

そしてたくさんの報酬をスタッフに分配しようと思うのでした。

 

特に「価値共有」してくれた人には。

 

うそうそ、ちゃんと実績評価しまーす。

 

あ、そうそう。

 

詳しくは知らないですが、20年ぐらい前の経営者さんは、ずいぶん儲かってたらしいじゃないですかーーー。いーーーなーーーー。

私が若い頃は、経営者が高級スポーツカーを乗り、大きな家に住み、

「お前らも俺みたいになろうぜ。夢のある世界へようこそ。」

といった感じの「背中の見せ方」をするオーナーが結構いた気がします。

今もそうかもしれませんし、それで成功し続けてる方もいらっしゃると思います。

 

でも現実、そこにいてもその人以上にはなれないわけで。

それぐらいの実力があったら辞めて独立したほうが早いと思うわけで。

普通であればね。

 

そう思うと、

やはりそれよりも大事なのはビジョンなのかなと。

極論、

組織には必要以上に「カリスマ」や「超絶売れっ子」などの、いわゆる「超優秀社員」

は存在していなくても、

美容業界の「平均よりもちょっと高めのアベレージのスタッフが多数いる」状態。

これが一番組織としては強く、長く反映するのかな、

なーーんて思います。

だって、そのカリスマスタッフに「依存」する経営ってことですよね?

それって、ちょっと不安じゃありません?

 

なんか、育ちすぎても、育たなすぎても・・・。

美容室経営ってむずかしいな、って思う10年でした。おわり。



 

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