吉田はこう考えております。【店舗内装編】

失敗から学ぶ美容室経営。

独立はたいへんでございます。

ハッキリ言ってあまりおすすめしません。

それなりの条件がそろってないと潰れちゃうかもです。

もちろん美容師として自信があり、年収が600万近くあり1000万ほどの自己資金、もしくは親や親族があなたの為の開業資金を全部面倒見てくれる、

そしてお世話になっていた美容室の近隣に出店してお客様もスタッフもごっそり持ってこれた。

そんな人はイージーモードで経営できる可能性があると思うので「スルー」していただいて結構な内容です。

 

独立する人はおそらく美容師としての実力もあるでしょうし、センスも良いでしょう。

少なくとも私よりは。

 

美容室を開設するにあたって一番ワクワクするのが「店舗デザイン」ですよね。

私もこの店舗を出すまでの物件選びからデザインの打ち合わせ、そして引き渡しまでの流れは本当にワクワクします。

 

そして借金返済のスケジュールにドキドキ。

 

お店出すまでは天国。お店出してからは地獄。

 

なんてことにならないようにしなければいけないわけですが、

ではなぜ、「地獄」に陥るのか?

 

それは「集客不足」「人手不足」「現金不足」のどれかが襲ってくる可能性があるからです。

 

その中でも「現金不足」は廃業という恐ろしい末路に近づいていく大きな要因となるのでとにかく回避しなければなりません。

【この部分にお好きな文章を入力してください。】

そんな中、SNSなどでもめでたく開業したという投稿もよく目にします。

 

拘りの内装・インテリア。まあセンスの良いこと。

その内装のセンスに魅かれてたくさんのお客様で大繁盛・・・。

 

ってならないだろうな、と思うサロンもいくつかあったりします。

 

それは、

 

オーナーのこだわりとセンスがあまりにも偏っているように思うサロン
かなりの内装工事費をかけただろうなと思われるサロン

 

の2つです。

 

オーナーの想いと夢の結晶なので、妥協なく最高のサロンを作りたいという気持ちは痛いほどわかります。

自分もそんなこだわりぬいた最高にカッコイイサロンで、最高の技術とサービスを提供したい。

そう思います。

 

しかし、あそこもこうしたい、ここもこうしたい、とやってるうちにどんどん内装費は上がっていきます。

 

そして業者ももっとこうしたほうが良いのでは、ここはこの素材の方が高級感がある、

と言った感じで提案してくる場合もあります。

 

オーナーはイメージ通りの内装を少しでも安く、業者は提案をして少しでも売り上げをあげたい。

 

最近は業者も予算内に収まるようより良い提案をしてくれていますが、

自社の売上を増やすために改装費を増やすことは提案しても、改装費を縮小することの重要性を教えてくれることはまずありません。

 

良く考えてみてください。

 

坪単価40万で考えてみると30坪で6~8席と考えても1200万の内装工事費。

設備投資と運転資金を考えると2000万以上の借入をしないと安心できない。

 

立地にによっては家賃も高額になり固定費は増える。

返済も考えると、利益が出ている支店が数店舗ない限り1年で黒字まで持っていかないときつい。

 

そして消費税10%がのしかかってくる。

消費税だけで相当な額になるわけです。

EdarによるPixabayからの画像

結果的に内装・設備などに2000万かかったとすると200万の消費税!

下手したら運転資金と同額ぐらいです。

大きいお金が動くので、50万~100万ぐらいのアップでも「錯覚」を起こしてしまい「大した金額じゃないから」と言ってオンしてしまうのです。

普通に100万の利益出すのも大変ですからね。

物件選びにおいても保証料や家賃、物件の状態によっては余計な出費があったりする中、そこにさらに高額な内装工事費というのは明らかに「無謀」だったりするわけです。

 

多額の費用をかけて魅力的な内装を実現することは、長期的に有利な場合もあるのですが、「飽き」「老朽」で結果として修繕も必要になるし、短期的に考えても不利な状況を引き起こしやすいように思います。

 

じゃあどうしろってんだい?となるのですが、

 

お客様はそのオーナーのこだわりの内装インテリアのセンスの良さで来店しているのですか?ということです。

 

ハッキリ言って、それは最初だけです。

 

どんなに豪華な内装でもインテリアでも、毎回来ている理由は決してそこではなく、目的はヘアできれいになり気分良くなって帰ることです。

 

美容師が下手でも、お店がおしゃれだからという理由で通ってる人はほとんどいないはずです。

 

お店の内装費と売上は決して比例する物ではなく、美容師の技術とサービスが売上を作っているわけですから、それに比べると内装はそこまで重要ではない。

 

内装に必要な要素は

 

清潔であること
シンプルであること

 

たったこれだけのような気がします。

サロンにおいて主役はお客様であり、輝かせるのは美容師です。

 

内装はあくまでも「引き立て役」

引き立て役が必要以上にしゃしゃり出てくると、お客様と美容師の輝きがぼかされてしまいます。

そしてお客様と美容師の個性が引き立ちません。

 

なにより豪華すぎたり色遣いがうるさいと疲れます。

長くても2時間から3時間お店にいるわけですから、落ち着いていてシンプルで、そして清潔というのが心地いいに決まってるわけです。

 

「いかに清潔さを保てるシンプルな内装か」の方が重要ということです。

 

そしてまた、あの清潔で落ち着く空間できれいにしてもらいたいと思ってリピートするわけです。

 

 

ヘアスタイルほどではないですが、やはりサロンデザインにも「トレンド」「流行」があると思います。

オープンしたころには旬でおしゃれな「トレンド」を追ったデザインだったかもしれませんが、

トレンドは時代で「変化」します。

 

しかし、清潔さやシンプルさというものはどの時代も「不変の価値観」を持っています。

例えこだわりのサロンデザインにならなかったとしても、少しでも初期投資を抑え、まずはお店とスタッフを守れる資金の確保を優先し、利益と返済のバランスが良くなったら、リニューアルしてキレイにするなり、拡大するなりすればいいのではないかと思うのです。

 

美容室にとっての最強の武器は「人」

 

お客様とスタッフを中心に考えて、「ひとにやさしい」経営を心掛けたいですね。

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